肩こりと頚椎症
肩こりの分類
器質的な原因による肩こりは、本態性と症候性の2つに分類されます。
本態性の肩こりでは関連した基礎疾患はなく、不良姿勢や筋力低下、ストレスなどが原因となります。一方、症候性の肩こりは、さまざまな原因疾患が挙げられますが、多くの場合で頚椎疾患、肩関節の機能障害、周辺筋群の異常が関与していると考えられています。症候性の肩こりでは、基礎疾患の治療が肩こり解消につながることも少なくありません。
肩こりのメカニズム
肩こりでは、頚部や肩、肩甲骨周りにトリガーポイントとよばれる圧痛点を伴うことが多く、肩こり治療のターゲットとなります。
それでは、このトリガーポイントは、どのようにして形成されるのでしょうか?
不良姿勢によって、筋緊張が増すと局所の血流低下が起こります。そうすると、必要な酸素供給が行われなくなり、酸素欠乏状態に陥ります。
酸素欠乏状態が続くと、発痛物質が産生されるようになり、トリガーポイントが形成されます。
トリガーポイント=圧痛点となりますが、ただ押して痛いだけでなく、局所の侵害受容器(痛みを受け取るセンサー)が過敏になっているため、周囲に痛みが放散します。また、トリガーポイントは結節として触れることもあります。
現代社会は、パソコンやスマホの使用頻度が増加しており、不良姿勢になりやすい環境といえるでしょう。
肩こりの陰に頚椎症あり
肩こり自体は不快な症状ではありますが、それほど深刻な状況に陥ることは多くありません。
しかし、肩甲骨周囲や肩回り、上肢にかけてしびれや痛みを伴う場合には、ただの肩こりではないかもしれません。
不良姿勢がきっかけとなりやすい肩こりですが、長期化すると頚椎にも負担がかかってきます。
頚椎は無理な姿勢での負荷がかかると、変形を起こしてしまいます。これが重度になると、神経を刺激するようになり、やがて痛みを生じるようになります。
元来、人間の(特に日本人の)頚椎は華奢で、それに対して頭部が重たい構造となっています。
二足歩行となった時点から頚椎は傷みやすい急所のようなものでしたが、頭部を前に突き出すような姿勢での作業(パソコンやスマホの操作など)は、それを助長しています。
一時はトレンドにもなり騒がれていた“ストレートネック”も、今では特別なものではありません。
痛みの強い肩こりは、実は頚椎症の症状かもしれません。
特に肩、上肢のしびれを伴う場合は、一度受診することをお勧めします。
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