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腰椎手術後疼痛症候群

腰椎手術後疼痛症候群とは

「腰の手術のあとは、しびれが残ったり、余計に痛くなったりする」
このように周囲の手術経験者から聞かされて、相談に来られる方が多くいらっしゃいます。
これは、医学的には腰椎手術後疼痛症候群と呼ばれています。

腰椎手術後疼痛症候群とは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などの脊椎疾患に対する手術のあとに残存あるいは新たに出現する痛みやしびれのことで、その病態は様々です。
複数回の手術で病態が複雑化する傾向にあり、長期化した症例では心理社会的因子も影響することも多く、しばしば治療に難渋します。
手術から数年経過して発症するものを含めると、その発生率は20%~50%程度になるとされており、高齢化などの影響もあって増加傾向となっています。

腰椎手術後疼痛症候群の原因

腰椎手術後疼痛症候群の原因は、手術にまつわるものだけでなく、原疾患の再発や新たな病変の発生、心因性のものまで幅広くあります。それらが重複していることも少なくありません。

~手術後に症状が残存あるいは悪化する場合~
  • 術前の病態把握の誤り
  • 手術部位の誤り
  • 病変の取り残し(除圧不足)
  • 挿入金具の刺激
  • 神経損傷
~手術後しばらくは症状が軽快したが、再燃もしくは新たに症状が出現する場合~
  • 脊椎不安定性の発生
  • 椎間板ヘルニアの発生・再発
  • 脊柱管狭窄症の発生・再発
  • 癒着性くも膜炎

腰椎手術後疼痛症候群の症状

腰椎手術後疼痛症候群は、病態によって症状が異なります。
椎間板ヘルニアの残存や再発、脊柱管の除圧不足や再狭窄、椎間孔狭窄症による神経症状(下肢の痛みやしびれ)のほか、椎間関節症、仙腸関節症、腰椎すべり症、腰椎椎間板症などが多く見られます。その他、硬膜外腔の癒着による痛みや、固定金具に起因する痛みなどがあります。
いずれの場合も、腰痛や臀部痛、下肢の痛みやしびれ(坐骨神経痛)を呈することがほとんどです。

腰椎手術後疼痛症候群の診断と治療

腰椎手術後疼痛症候群の病態は複雑で、単一の原因でないことも多いため、診断および治療に苦慮することが多いです。
診断は、CTMRIなどの画像検査のほか、神経ブロックの効果をもって原因となっている部位を特定(テストブロック)することもあります。
治療においても、病態に合わせた治療を行いますが、そのほとんどが神経に起因した症状ですので、薬物療法や神経ブロック療法の適応となります。
再手術を検討することもありますが、病態が複雑化していることが多いため、手術が困難であったり、拡大手術(疑わしい部分を網羅的に手術すること)になることもあります。

腰椎手術後疼痛症候群を防ぐために

ここまでお読みいただいても、結局はっきりとしない印象を持たれると思います。
臨床においても、やはり病態が複雑であるために診断や治療に難渋することが多いです。
腰椎手術後疼痛症候群は、起こってしまったあとの診断や治療よりも予防がもっとも重要です。
術前に的確な診断を行い、必要にして最小の侵襲で手術を行うことが大切です。
時として、手術が必要かどうかの再検討も必要になるかもしれません。
脊椎手術の前には、保存療法で経過をみることが多いですが、この間に満足な保存療法を受けられていないことも少なくありません。

当院では、神経痛に対する保存療法の中では最も効果の期待できる、神経ブロック療法を中心とした治療を行なっています。
術前の診断的神経ブロックの施行も可能ですので、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などで手術を検討されている方も、お気軽にご相談ください。

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