帯状疱疹の疫学
帯状疱疹と年齢
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫が低下することで発症します。免疫が低下する原因は、ストレスや糖尿病、悪性疾患(がん)など様々ありますが、帯状疱疹の発症に最も大きく関わる因子は加齢です。
年代別にみると50歳を境に急激に発症頻度が上昇し、70歳代でピークとなります。一生涯でみると30%の人に発症し、85歳まで生存するとほぼ半数に発症するといったデータもあります。高齢化が進む日本は、帯状疱疹を発症しやすい状況といえます。
帯状疱疹は増加している?
日本国内の調査結果では、帯状疱疹の年間の発症頻度は、1000人あたり3.8人(1997年)から増加し、2006年の調査では1000人あたり4.3人となっています。これは日本だけでなく、米国でも年間の発症頻度は、3.1人/1000人(1996年)→ 5.2人/1000人(2001年)と増加しています。
帯状疱疹の発症頻度の増加には、高齢化社会となっていることに加え、生活スタイルの変化やストレスの増加などが複合的に影響していると考えられています。
帯状疱疹は女性に多い?
また、帯状疱疹の発症頻度に関しては、女性の方が男性よりも発症頻度が高いという結果が出ています。
これは、日本国内だけでなく国外で行われた調査でも同様の結果が示されています。その原因については明らかになっていませんが、日本では40歳以降で差が出始めるようです。
ストレスとの関係
ひとことにストレスと表現しても、それ自体が曖昧なものではありますが、一般的に帯状疱疹とストレスは密接に関係しています。睡眠不足や過労による身体的ストレス、社会生活や家庭内での心理的ストレスなど、日常生活でのストレスを契機に免疫機能が低下し、帯状疱疹を発症しやすい状態となります。
免疫異常との関係
悪性疾患(がん)や、その治療によって免疫が低下すると、帯状疱疹の発症頻度が高くなります。
その他、骨髄移植後では23〜46%、膠原病のひとつであるSLE(全身性エリテマトーデス)では4.5〜19%、後天性免疫不全症候群では10〜13%と高い頻度で帯状疱疹を発症するといわれています。
帯状疱疹の好発部位
帯状疱疹は身体中どこにでも発症し得ますが、中でも、三叉神経領域(顔面)と胸神経領域(胸部、体幹部)に多く発症します。また、顔面の帯状疱疹では、特に三叉神経第一枝(前頭部から額、まぶた)に好発するため、眼部に合併症(眼部帯状疱疹)をおこすリスクがあります。
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