腰痛・腰下肢痛の原因と治療
腰痛·腰下肢痛の原因
多くの腰痛および腰下肢痛では、筋肉·筋膜や、脊椎(背骨)の周辺構造(椎間板、椎間関節、脊柱管)の退行変性による炎症や神経障害が痛みの原因となります。
特に下肢痛(坐骨神経痛)を伴う場合には、神経根(脊髄神経から分枝する神経の根元)の炎症が関与していることが多く、若年者では“腰椎椎間板ヘルニア”、中高年以降では“腰部脊柱管狭窄症”が原因となっていることがほとんどです。
腰痛·腰下肢痛の原因として多い疾患
腰椎椎間板ヘルニア |
椎間板が突出して神経に炎症が起こることで腰痛や下肢痛(坐骨神経痛)をきたす |
腰部脊柱管狭窄症 |
神経の通る脊柱管が狭くなることで腰痛や下肢痛(坐骨神経痛)をきたす |
腰椎椎間板症(椎間板性腰痛症) |
椎間板が変性することで腰痛をきたす |
椎間孔狭窄症 |
椎間孔とよばれる神経の通り道が狭くなり、神経根部に炎症が起こることで下肢痛(坐骨神経痛)をきたす |
椎間関節症 |
椎骨の小突起が形成する関節に炎症が起こることで腰痛をきたす |
仙腸関節症 |
骨盤を構成する仙骨と腸骨の接合部に炎症が起こることで腰痛をきたす |
筋·筋膜性腰痛症 |
筋肉や筋膜に炎症が起こることで腰痛をきたす |
圧迫骨折 |
脊椎を構成する椎体が圧壊することで腰痛をきたす |
腰痛·腰下肢痛の検査
これまで、腰痛症の約85%は原因不明の“非特異的腰痛”とされてきましたが、近年の報告によると、その割合は全体の20%程度で、多くが原因を特定できる痛みと考えられるようになってきました。
椎間板そのものの変性によって腰痛を引き起こす“腰椎椎間板症(椎間板性腰痛症)”は、MRI検査の普及に伴って病態が明らかとなりました。
腰痛·腰下肢痛の診断をすすめる上で、もっとも重要なのは問診です。どのような痛みであるかを詳細に確認し、理学所見や画像所見などと組み合わせることで病態を判断します。
腰痛·腰下肢痛の画像検査では、MRIの診断価値が非常に高く、椎間板や神経を観察することができます。X線画像はスクリーニングや骨病変の確認に使用します。骨病変の精査にはCT検査を追加することがあります。筋肉や筋膜の評価にはエコーが有用です。
ペインクリニックでは、神経ブロック療法(炎症を抑える注射)を治療として用いることが多いのですが、診断が確定しない場合にはテストブロックとして、診断のための検査目的を兼ねて、痛みのある部位や痛みの原因と予想される部位に神経ブロックを行うこともあります。
腰痛·腰下肢痛の治療
ペインクリニックでは、保存療法(手術療法以外の治療)のなかでも最も鎮痛効果の高い神経ブロック療法を中心とした治療を行います。
薬物療法やリハビリで改善しない場合でも、痛みの軽減~治癒が見込めます。
腰痛·腰下肢痛に対する神経ブロック療法
腰部硬膜外ブロック
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板症(椎間板性腰痛症)
神経根ブロック
坐骨神経痛を伴う腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、椎間孔狭窄症
椎間板ブロック
腰椎椎間板症(椎間板性腰痛症)
椎間関節ブロック
椎間関節症
仙腸関節ブロック
仙腸関節症
トリガーポイント注射
筋·筋膜性腰痛症
当院での神経ブロック療法について
一般的に“ブロック注射”と呼ばれるものの中には、前述のように沢山の種類があります。
本来は病態に応じて使い分ける必要がありますが、設備や技量によって提供できる神経ブロックが限られているのが現状です。
当院では、大学病院や大型市中病院のペインクリニックと同等の設備と技術を外来で提供しています。
特にリスクの高い深部神経ブロックは、X線透視下もしくはエコーガイド下に施行することで、安全性を確保。無風空調を完備した施術室で、感染のリスクを低減しています。
また、一般的には技術難易度が高くなるため使用されることが少ないのですが、神経ブロックに伴う注射の痛みを最小限に抑えるため、極めて細い針を使用しています。
長引く腰痛·腰下肢痛でお困りの方は、当院までお気軽にご相談ください。
診療受付時間
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