帯状疱疹の痛みの変化
帯状疱疹の痛みは時期によって変化する
帯状疱疹の痛みは、発症から段階的に変化します。
帯状疱疹の原因は、水痘帯状疱疹ウイルスという水ぼうそうのウイルスです。
発症早期には、このウイルスが活性化し、神経に炎症を起こしています。神経に直接の炎症が起こるため激痛が生じるのです。
やがて、時間の経過とともにウイルスの活性は低下し、炎症も落ち着いてきます。
では、急性期の痛みさえ我慢できればいいのでしょうか?
実は、発症早期の痛みよりも、その後の痛みの方が厄介なのです。
帯状疱疹による痛みは、やがて神経障害性疼痛へと移行していきます。
炎症とは、文字通り火事のようなもの
炎症は、身体に備わった防御反応です。
水痘帯状疱疹ウイルスが活性化すると、それを排除しようと免疫細胞が攻撃をするのですが、悪いものを攻撃するために正常な組織まで傷つけてしまうことがあるのです。
水痘帯状疱疹ウイルスは神経節に感染しているため、神経に炎症が起こります。
発症早期は、まさに火の手が上がったばかりの火事の現場です。夜も眠れないほどの痛みが出ることもあります。
やがて炎症はおさまりますが、神経はボロボロに傷ついてしまいます。
傷ついた神経は、神経障害性疼痛の原因に
傷ついた神経は、それ自体が異常に興奮したり、周りの神経と混線を起こしたりします。
その結果、何もしていないのに痛みが出たり、本来痛くない程度の刺激で痛みを感じたりするようになります。
これが神経障害性疼痛といわれるもので、帯状疱疹の場合では、帯状疱疹後神経痛と表現されます。
後遺症を残さないために
帯状疱疹後神経痛は、いわば帯状疱疹の後遺症です。
炎症によって破壊された神経そのものが痛みの原因です。
帯状疱疹後神経痛に移行しないためには、発症早期の炎症を少しでも早く鎮めてあげることが大切です。
先ほどの例でいえば、いち早く消火活動を行って火事の被害を最小限にとどめることが重要なのです。
帯状疱疹には神経ブロック療法が有効
帯状疱疹の早期の治療は、抗ウイルス薬と鎮痛薬あるいは鎮痛補助薬(ロキソニンやリリカなど)を使うのが一般的です。
しかし、これらは神経に起こった炎症を止める作用は持っていません。あくまでウイルスの活動を抑えたり、痛みを抑えたりするだけの効果しかないのです。
帯状疱疹による痛み治療の要となるのが、神経ブロック療法です。
神経に直接炎症を止める薬を注入することで、炎症を抑えることができます。
辛い後遺症を残さないためにも、帯状疱疹を発症した場合には、なるべく早くにペインクリニックを受診してください。
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