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帯状疱疹の痛み治療

帯状疱疹とは

帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルスという水ぼうそうの原因ウイルスが原因となって発症します。

この水痘・帯状疱疹ウイルスは、幼少期に水ぼうそうを引き起こした後、いったんは不活化して神経節に潜伏します。(潜伏している間は、まったくの無症状です)
ところが、加齢やストレスなどの理由で免疫力が低下すると、再び水痘・帯状疱疹ウイルスが活性化し、帯状疱疹として発症します。

一生のうちに帯状疱疹を発症する割合は3人に1人といわれており、85歳まで生存するとほぼ半数が帯状疱疹に罹患すると推測されています。

帯状疱疹の症状

帯状疱疹の主な症状は、痛みと皮疹です。

水痘・帯状疱疹ウイルスは、神経節から神経の分布に沿って神経を破壊しながら増殖し、皮膚へと達すると皮疹を形成します。(これが帯状に見えることから帯状疱疹と呼ばれます)

発症初期には、ぴりぴりとした違和感や局所的な赤いぶつぶつが出現し、数日後には激烈な痛みと皮疹(水膨れや潰瘍、びらん)が生じます。

この派手な皮疹が目立つため、皮膚そのものの病気と思われがちですが、本態は前述の通り神経の炎症と破壊です。帯状疱疹は、ウイルスによる神経炎と神経障害によって生じる痛みの疾患なのです。

帯状疱疹の痛み

帯状疱疹の痛みの表現は多種多様です。
火傷のような灼熱感や電気が走るようなビリビリ感、ズキっと差し込むような痛みや、衣服が擦れただけで痛むような症状(アロディニア)も特徴的です。

帯状疱疹の痛みの病態は、急性期と慢性期で異なります。

発症初期は、水痘・帯状疱疹ウイルスによる神経の炎症による痛みです。この時期に適切な治療を行えば、多くの場合で痛みは軽減していきます。
ところが、この炎症を抑えきれないと、徐々に神経が破壊され、神経に傷がついてしまいます。

帯状疱疹の後遺症=帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹による神経炎を抑えきれなかった場合には、炎症により傷ついた神経が慢性的に痛みを発するようになります。これが帯状疱疹後神経痛とよばれる後遺症です。

~帯状疱疹後神経痛に移行する危険因子~
・年齢(60歳以上)
・痛みの程度が強い場合
・重症の皮疹を伴う場合
・皮疹に先行して痛みが出現した場合
・皮疹部の感覚異常がある場合
・免疫機能低下をきたす疾患(糖尿病、悪性疾患など)がある場合

帯状疱疹の治療

薬物療法

帯状疱疹発症後は、すみやかに抗ウイルス薬を投与することが重要です。
痛みの性状や程度に応じて、NSAIDsや神経障害性疼痛治療薬を使用します。
皮疹が重症である場合や、皮膚ケアが必要な場合には皮膚科的治療を行います。

神経ブロック療法

注射によって神経節で生じている炎症を直接和らげます。
特に、激しい神経炎の起こっている場合には、発症早期から神経ブロック療法を行うことで、後遺症への移行のリスクを低減します。
内服治療で反応が乏しい場合には、神経ブロック療法を検討する必要があります。

帯状疱疹に罹患した際、特に痛みの程度が強い場合には炎症が強く生じているため、いかに早く適切な神経ブロックを行えるかが、予後を分けるといっても過言ではありません。

合併症の治療

帯状疱疹は罹患部位によって、中枢神経障害や眼障害、顔面神経麻痺、運動神経麻痺を起こすことがあり、神経内科や眼科、耳鼻科と連携して治療する場合があります。

神経ブロック療法とは

帯状疱疹では、神経節と呼ばれる神経の根元の部分に水痘帯状疱疹ウイルスによる神経炎がおこります。
この炎症を止めるために行うのが神経ブロック療法(神経の周囲に薬液を入れる注射)です。

顔面領域の帯状疱疹では三叉神経節、体幹や四肢の帯状疱疹では後根神経節で炎症がおこるため、深部に注射をする必要があります。ここで重要なことは、痛い部分に局所の注射をしても、神経節の炎症はおさまらないということです。

神経節の炎症を止めるためには、深部の神経ブロックが必要です。
(当院では、X線透視装置やエコーを用いて、深部の神経ブロックを行うことが可能です)

発症した場合にはペインクリニック受診を

帯状疱疹は、後遺症(帯状疱疹後神経痛=年単位~半永久的に持続する痛み)をのこすリスクのある疾患です。
適切なタイミングで適切な治療を受けることで、帯状疱疹後神経痛への移行を予防したり、後遺症の程度を軽減させることが可能です。

皮膚科や内科で初期対応されるケースが多いのですが、神経炎を早期に抑え込むためには神経ブロック療法が必要となりますので、痛みがある場合には深部の神経ブロックまで受けられるペインクリニックを受診しましょう。
帯状疱疹の痛みでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

 

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